京極クリニック

京都市中京区の皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科・内科・漢方内科 京極クリニック

〒604-8035 京都府京都市中京区新京極通三条下る桜之町414-1
TEL 075-221-6500

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漢方内科

漢方内科(健康保険診療)=漢方薬による体質改善

バランスのくずれた体質を改善させて、本来、持っている健康な状態に整えます。
「便秘、肥満」、「冷え性、むくみ」、「慢性胃炎、疲労倦怠」、「生理不順、生理痛」「ニキビ、吹き出物」、「しみ、乾燥肌」、「慢性じんま疹、アトピー性皮膚炎」など

 

漢方薬

東洋医学では、病気は心身のバランスが崩れたために発症すると考えられています。
同じ病気に対しても、病気への抵抗力や反応、胃腸の強さなどには個人差があるので、選択する漢方薬は違ってきます。
漢方内科の治療は、ひとりひとりの体質の違いを重要視して、きめ細かに漢方薬を選んで、乱れた心身のバランスを整えることにより病気や末病を改善させていきます。
また、化学的に有効成分を抽出して合成した医薬品とは異なって、漢方薬は全て天然の生薬の組み合わせでできているため、一つの漢方薬によって多くの病気を改善させることができます。そのため、全く異なる症状や病気に対しても、東洋医学的に共通する「証」があれば、同じ種類の漢方薬を選択することがあります。
漢方薬は独特な選択方法がありますので、処方された漢方薬の適応症だけを見て、自分の病気をかってに判断することは誤りです。
体にやさしい漢方薬で体質を改善して、自分自身が本来持っている健康な状態を取り戻しましょう。

 

漢方薬の効果が期待できる病気や未病

原因が不明な疾患や原因を取り除けない病気、体質が関連している病態。
【皮膚科】 じんま疹、アトピー性皮膚炎、手皮膚炎、ニキビ、しみ、円形脱毛症、しもやけ
【神経系】 不眠、精神的不安、ストレス、神経症、頭痛、肩こり、腰痛、神経痛、多汗症
【呼吸器】 かぜ、アレルギー性鼻炎、花粉症、ぜんそく
【循環器】 高血圧、どうき、むくみ、浮腫
【消化器】 慢性鼻炎、胃弱、食欲不振、便秘、下痢、きれ痔、いぼ痔、肝機能障害
【婦人科】 生理不順、生理痛、月経前症候群、月経困難症、更年期障害、冷え性
【泌尿器科】 残尿感、排尿痛、頻尿、排尿困難
【その他】 肥満、慢性疲労・倦怠感、虚弱体質、病後の体力低下、糖尿病、貧血

 

東洋医学の診療

東洋医学は現代の医学と根本的に病気に対する考え方が異なっていて、独特な理論があるため、すぐには理解しにくいかもしれません。
東洋医学では、病気や未病の患者さんの個人的な「証」を決定してから漢方薬を選びます。
「証」とは、病態を判断する「氣血水」「表裏」「寒熱」、病気の進行度や反応を示す「陰陽(六病位)」、病気に対する抵抗力、健康状態や体質、胃腸の調子などに基づく「虚実」、病因論としての「五臓(肝・心・脾・肺・腎)、六腑」などによって総合的に決定されます。
そのため、漢方薬による治療を希望される方は、東洋医学の問診表を記入していただき、東洋医学独自の舌や爪、脈や腹の診察などをさせていただきます。
また、必要な場合には採血や検尿などの検査をさせていただくこともあります。
漢方薬には、顆粒や粉薬、錠剤もありますので、もし粉薬が苦手な方は申し出てください。
漢方治療は健康保険の適応であり、適応する漢方薬の処方箋をお渡しします。
なお、漢方薬と現代医薬品とを併用して治療する場合もあります。

 

ニキビ・吹き出物

【原因】
男性ホルモンと女性ホルモンとのバランスが崩れると、
(1)皮脂の分泌が過剰になって皮脂が毛穴から皮膚の外に出ないで毛根に溜まる、
(2)皮脂が古くなって変性すると刺激性の脂肪酸に変換して炎症を起こす、
(3)毛穴にニキビ桿菌やブドウ球菌が入り込んで感染症を引き起こす、
などが生じてニキビが増加していきます。
洗顔やクレンジングの不足、食事の偏り(脂肪・糖分・糯米・刺激物の摂り過ぎ、ビタミンA・B2の欠乏)、胃腸障害や便秘、肝臓障害や精神的ストレスなどが加わるとニキビが悪化します。
東洋医学的にニキビの治療では「局所の証」を重要視します。
(1)面皰は皮膚温の低下や血行障害などの風寒証が原因と考えます。
(2)赤いニキビは温熱刺激や過剰な発汗などの風熱証によるものとしています。
(3)膿をもった膿庖は、熱の毒素が内部まで入り込んだ状態の熱毒証であると判定します。

【症状】
(1)はじめ皮脂が毛穴に溜まると白いニキビ(面皰)が現れます。
(2)脂肪酸により炎症を起こすと赤いニキビが増えてきます。
(3)細菌感染を起こすと膿をもったニキビとなり、放置しているとニキビ跡を残します。

【治療】
ニキビを治すためには、適切な洗顔や食事の改善、規則正しい日常生活を実施することが必要です。
その上で、全身的な体質や体力、胃腸の強さなどを考慮して漢方薬を選択していきます。
(1)面皰には温清飲や湯経湯など。
(2)炎症を起こした赤いニキビには、熱を冷ます作用のある清上防風湯、黄連解毒湯など、
(3)膿を持ったニキビには、解毒作用のある十味敗毒湯や荊芥連翹湯、防己黄耆湯など。
生理周期に関連して悪化する場合には、体質によって当帰芍薬散や桂枝茯苓丸、桃核承気湯などを処方します。
合併症として便秘の人には大黄を、胃腸障害のある方には半夏を、ストレスにより悪化する場合には柴胡剤を含んだ漢方を投与します。

 

不安・不眠・熟睡障害

【原因】
不眠は神経質や神経症の人に多くみられるので漢方薬が有効なことが多いですが、脳神経系の疾患や精神病による不眠には、漢方薬は充分な効果が見られません。
不眠は東洋医学的には「氣虚・氣滞・氣逆」などの「氣」の失調により起こります。
氣虚とは生命エネルギー不足、無気力で元気がなく気力がないことです。
他人に気を使いすぎて神経をすり減らすタイプで、慢性的にストレスがある場合に見られます。
氣滞は生命のエネルギーが滞ることです。
自分の言いたいことを他人に上手く伝えられずに不満が溜まる時や、コミュニケーションの下手な人に起こります。
氣逆とは生命のエネルギーが体中を逆流して走り回る状態で、気が動転しやすく、ちょっとした刺激で驚きやすい人です場合です。
しばしばパニックになるタイプで、すぐに腹を立てて「きれやすい」不安定な精神状態の人です。

【症状】
不眠は三つに分類されていて、入眠障害と深夜中途覚醒、早朝覚醒があります。
(1)入眠障害:精神的な緊張や興奮が続いている時に眠りに入れない状態で、神経質な人や神経症の傾向がある人に多く見られます。
(2)深夜中途覚醒・熟睡障害:深夜に何回も目が覚めてぐっすり熟睡できない状態で、不安や焦燥感が強く、眠れないことにこだわったり、抑うつ気分や心気的な訴えの多い人に見られます。
(3)早朝覚醒:早朝に目が覚めてしまい、その後、全く眠れない状態で、老化現象や更年期障害などでも見られ、漢方薬でもあまり効果がみられないことが多いようです。

【治療】
(1)入眠障害:東洋医学的には「内に熱をもって血が上昇するために眠りにくい」と考えられ、熱を冷ます気連などを含んだ薬剤を投与します。
(2)深夜中途覚醒・熟睡障害:小さいことにこだわったり、動悸がしたり、ストレスや循環不全が影響していると考えられ、柴胡剤や氣剤、駆瘀血剤などを使用します。
(3)早朝覚醒:治療が困難ですが、地黄や梔子を含んだ漢方薬が有効なことがあります。

 

胃弱・胃痛・食欲不振

【原因】
胃の精密検査(内視鏡)などで異常所見が認められなかった場合に漢方薬の適応となります。
胃の不調には、飲酒や喫煙、薬剤や食物、ビタミン欠乏やアレルギー、肉体疲労や精神的ストレス、老化現象などの多くの原因があります。
東洋医学的には、
(1)主に若年者に見られる胃液分泌が亢進している胃炎(陽実証、氣滞)と
(2)高齢者に見られる胃液分泌が少なく消化管の運動機能が低下している胃炎(虚証で水滞)
とに分類します。

【症状】
(1)空腹時の胃の痛み、胸やけ、胃部の膨満感などの過酸症状を認め、暴飲暴食すると激しい症状が見られます。心窩部や季肋部に痛みや抵抗感を感じます。
(2)食後の胃のもたれ、吐き気、食欲不振、軟便、下痢、易疲労、倦怠感などを認めます。腹に力が入らず、胃の中に水が溜まっているような音がします。

【治療】
(1)柴胡桂枝湯や安中散、黄連解毒湯などを選択します。
(2)六君子湯や半夏瀉心湯、人参湯などを処方します。
いづれの場合でも症状が改善した後も、長期間にわたって服用した方が良いと思われます。

 

生理痛・生理不順・更年期障害

【原因】
東洋医学的には、月経の異常は骨盤内のうっ血状態と考え、「瘀血」と判定します。
瘀血とは末梢の循環障害、うっ血、凝固線溶系の異常など血液が停滞した状態と推定します。
その他、月経に伴う症状には、血虚、氣虚、水滞などの影響を受けて「冷えのぼせ」や「ほてり」を起こす傾向があります。

【症状】
月経困難症とは、月経に伴って生理痛、下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、吐き気、頭痛、脱力感、食欲不振、下痢、イライラ、うつ気分などが認められることです。
東洋医学的な考え方では、生理周期が短い場合は血行がよく、のぼせ症で「実証」の人に多く、生理周期が長い場合は血行が悪く冷え性で「虚証」の人が多いと判断します。
生理周期の乱れは心因性の要因や循環不全の瘀血に関連しています。

【治療】
月経の異常には、主に瘀血を改善させる駆瘀血剤を使用します。
体力のない虚証の人には当帰芍薬などを選択します。
また、血虚、氣虚、水滞を治す四物湯や加味逍遥散、防己黄耆湯なども用います。
体力のある実証の人には牡丹皮や桃仁を含む桃核承気湯や桂枝茯苓丸などを選びます。
その他、瘀血や血虚の程度に応じて温経湯や温清飲なども考慮します。

 

肥満

【原因】
食べ過ぎや運動不足による単純性肥満と、内分泌疾患や遺伝性疾患、薬剤性肥満などによる二次性肥満とがあります。
【症状】
身体の中に脂肪が過剰に溜まった状態であり、
計算式(BMI)=(体重kg)÷(身長mX身長m)が25以上で肥満と判定されます。
腹囲(男性:85cm以上、女性:90cm以上)、
高血圧(収縮期:140mmHg以上、拡張期:90mmHg以上)、高血糖(空腹時:110mg/dl以上)、
高脂血症(LDL-コレステロール:140mg/dl以上、中性脂肪:150mg/dl以上、HDL-コレステロール40mg/dl未満)
などもあれば、動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性が高くなるため、体重を減らして内臓脂肪を減少させる必要があります。
【治療】
肥満の改善は食事と運動を中心とした生活習慣の見直しが必要です。
漢方では、肥満にはいくつかのタイプがあり、
(1)胃腸の働きが鈍く、水分の代謝機能が低下しているタイプ、
(2)食べすぎと運動不足により、栄養分が皮下脂肪として溜まってているタイプ、
(3)ストレスや自律神経失調、便秘などにより過剰な栄養素が体内に蓄積されているタイプ、
などがあります。
漢方薬を希望される方には東洋医学の診察によって「証」を確定し適した漢方薬を処方します。